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子供部屋おじさんは遅れて来た40代の青年!今から婚活!?
20代はまだまだだと思いながら過ごし、30代は仕事に明け暮れ、40代になってしばらくしてから、大学時代の最後の独身の仲のいいヤツが結婚した時、オレはこれはヤバイ、と思った。
両親は早くからオレに孫が欲しいと言っていたのだが、二人とも元気でピンピンしていたため、自分に切迫感や義務感もなく、今から思うと、結婚についてあまり現実的に考えていなかった。
が、とうとう仲間うちで最後の独身となり、会社でも、オレはもう結婚しないものと見なされ、周囲は誰も結婚のケの字も口に出さなくなっていた。以前は、パートのオバチャンたちが、「誰かいないの?早く親を安心させてあげなさいヨ。」と軽くたしなめるように言っていたのだが、そういう言葉もついぞ聞かなくなった。
そのうち、あいつは無理だ、言うだけムダだと思って、誰も何も言わなくなるものなのだ。上司も昔は、誰か女性を紹介する、と言ってくれていたのに、40過ぎたらまったくそういう話が出なくなった。
両親からは、オレと顔を合わすたびにため息をつかれ、オレはほとんど家の中で部屋から出ずに過ごすことが多くなった。
食事の時も、両親が食べ終わった頃を見計らってから、一人で食事する。
母親が暖かいものを作ってくれるので、ありがたい。
食べ終わったら、後片付けは母親がやってくれるので、オレはそのまま再びオレの部屋に戻ってこもる。
休みの日はだいたいこんなふうに過ごしてきた。
オレの部屋には、小学生の時から使っている勉強机はそのままある。中学の時、絵のコンクールで入賞した作品は、今も壁にそのまま飾ってある。高校の部活で汗を流したラグビーボールも棚に置いたままだ。
中学の時の修学旅行で買ったペナントも写真も、何もかもが残った部屋で、オレは時を過ごし、見た目は40代後半の完全なオジサンになった。
子供部屋から婚活に目覚めた時はおじさんになっていた!?周囲は・・・
やっと遅ればせながら婚活しようと思った時、周囲を見るとおばさんばかりだった。
だが、自分ではオレは、まだまだイケてる、と思う。20代は無理としても、30そこそこの女性はオレと釣り合っているのではないかと思っている。イヤ、思っていた。
ようやく婚活をしようと思った時、皆より20年くらい遅いのだろうが、気持ちは20代と同じ気持ちでいた。だから、正直、30歳の女性なんて、おばさんだからオレにとっては対象外だと思っていた。が、それは大きな間違いだと気付くのに時間はかからなかった。
初めての婚活パーティーでは、参加している女性は、30代後半のオバサンが多いと思った。中でも若くていいと思った女性とマッチングせず、2番目にいいと思った女性ともマッチングしなかった。
他の出席者の半分くらいは、誰かとマッチングし、パーティーが終わる頃には、次のデートの約束をしていた。
オレは、また次がある、と前向きに考えて、次の婚活パーティーに申し込んだ。
すると、次のパーティーでも、誰ともマッチングしなかった。そしてその次も・・。
オレの状態を見てパーティー主催者側のコンサルに、
「あんたがマッチングしたいと思っている相手は、年が離れすぎているあんたを選ばない。若い女性に固執せず、自分の年齢に近い女性に目を向けたらいかがか。」とはっきり言われた。
オレは、「そんなハズはない!」と心の中で思ったが、試しに年齢が近く、オバサンだと思った相手の名前を書いてリクエストしてみた。すると、相手もオレの名前を書いており、そこで初めてマッチングした。
けれど、相手には悪いが、オレは不本意だった。そのオバサンとは、一度は義理でデートをしたが、2度とは会いたくないと思った。相手はオレより10歳年下だったが、オバサンはオバサンだ。悪い人でないことはわかっていたが、何故オレはわざわざオバサンと付き合わなければならないのか不満だったのだ。
コンサルに相談すると、「結婚したければ、若い女性に固執するな。」と再び言われた。「人をオバサンと言った時点で、あなたは正真正銘のオジサンだ。自分をよく見ろ。オジサンは若い娘には相手にされないのだ。」ともはっきりと言われた。
「自分は頭も薄くなければ腹も出ていない。服装も女性が好むものをいつも着ている。」と反論したら、「考え方や習性がオジサンなのだ。それはもう後戻りできない。」だと。
そうか、オレはオジサンか。若い女性は無理なんだな。でも、どうにか若い女性を振り向かせる方法はないのか。と、オレは数か月間、日夜そのことを考え、その手のモテ本を読み、時には実践し、自分磨きをした。
久しぶりにまた婚活パーティーに出たとき、マッチングカードには、オレの名があふれるほど書かれていた。参加した大半の女性が、オレの名を書いてくれたのだ。
コンサルからは、「まあ、良かったじゃん。」と初めて言われた。が、肝心の、オレがいいと思っていた若い女性は、オレではなくて別の若作りのオジサンを選んでいた。
「よし、今度こそ。」
次の婚活パーティーでは、最初から目をつけた若い女性にベッタリと付いて、時間中はずっとそばにいた。
「今度こそ、この人に自分を選んでもらえる。」と思っていた。
が、どういうわけか、オレは選ばれなかった。あんなに親しく会話できたのに。何故だ!オレのどこが悪かったんだ!?
オレはコンサルに詰め寄った。オレの敗因は何か、おしえてくれ、と。
婚活する40代男は、自分を見た目より若く見積もっている
コンサルは、オレにこう聞いてきた。
「よく話ができたと言うけど、どちらが多く話した?」
「オレの方かな。何しろ、フンフンとよく話を聞いてくれたんだ。彼女もきっとオレの話が面白かったに違いない。」
「そこがまず、間違ってる。女性は話を聞きたいんじゃなくて、自分もしたいのだ。あんたは自分のことばっかり話して、女性が話したい話を引き出せなかったんだね。フンフン言っていたのは、付き合ってあげただけ。で、何の話をしたのか?」
「オレの会社の話がほとんどだったな。」
「上司の悪口や、パートの女性の悪口を言わなかったか?」
「・・・そういえば、上司をウザイと言ったな。」
「パートの女性を『おばさん』、と言わなかった?」
「あ、言った。だってオバサンだから。まずいかな?」
「マズイでしょ。女性をおばさんと言うのは、他の女性からしたら、いつか自分も言われると思うから。まさか下ネタなんか言っていないでしょうね?」
「シ、シモネタ・・・・!?」
言ったかもしれないし、言わなかったかもしれない。言われてみれば、普段のオレがどんな話をしているか、あまりに普段通りだったので自分でも覚えていないのだが、もしかするとそれ故に女性が気になるような話をしたかもしれない。
そうか、オレは気持ちよく自分が話せたと思って、相手も自分を受け入れてくれているんだと思っていたのだけど、年代が違うと受け取り方も違うってことなんだな。
今さらながら気づき、自分は40過ぎても人の気持ちがわからないんだと情けなく思った。婚活に自信を失くしそうだった。
「下ネタは下品だから女性は基本的に嫌いだけど、年齢の近い女性だったら仕方なく許容できる人もいるわよ。仕方なくだけどね。」
つまり、日常会話でオバサンと言ったり、上司の悪口を言ったり、下ネタを言うのは、おじさんの証拠というわけだ。オレは、自分は20代の小僧だと思っていたのに、いつの間にか、オジサンになっていたのだ。
「どうせ結婚したら自分の親と住んでくれる女性なんていないのだから、あんたも早く家を出て自立してみたら?」
そうなんだ。
オレと同じくらいのオジサンで、先日若い女性とマッチングしたヤツは、親が近くに住んでいるけど、一人暮らしだと言っていたな。何かそこが違うのかな。
掃除も炊事もやったことがないけれど、ひょっとして、それをやることで、縁が来るのだろうか。オレにも。イヤ、オレ様にも。
子供部屋おじさんを結婚のために卒業
オレは結婚しても実家には当分住まないと決めた。親と暮らすことにこだわると、なおさら嫁さんが見つからなくなる。オレは、この重大な意思決定で、何となくふっきれた気がした。
かといって、今急いで家を出ても、ということで、自分の部屋を何とかすることにした。
小学生になる時に今は亡き祖父が買ってくれた机を納戸に片づけ、ペナントや写真は全てはがし、まるでヨーロッパのホテルのように、部屋には新しく購入したソファとラグ、サイドテーブルとフロアライトを置いた。
完璧なまでに大人の部屋が出来上がった。ここがオレが何十年も過ごした部屋か?ここが?
オレは何だか生まれ変わったような気分になった。
よく風水がどうの、というけれど、部屋の模様替えをするだけで、こんなに新鮮な気分になれるとは。
ここなら女性も呼べる、と思った。もし、彼女がいつか家を訪れるとしたら、オレの部屋を見て、何と思うだろうか。
「さすが大人だわ。センスがいい。」と思うに違いない。
オレは早くそういう状況を作りたくなった。早く彼女を作って、オレの部屋を見せたい。幸い、母親が掃除をしてくれ、いつも部屋はキレイだ。
行き詰ったときは、環境を変えてみて、とコンサルに言われたように、変えてみた。垢も落ちた、たぶん。こだわりも。
きっと近いうちにいいことが起きるような気がする。
オレはいつも、ついているヤツだから。
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